大判例

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東京高等裁判所 昭和55年(行コ)29号・昭55年(行コ)46号 判決

本件各物件について第一審被告主張の仮処分決定がなされ、右仮処分決定の執行として本件各物件が除去されたことは、当事者間に争いがない。

右争いのない事実によると、右仮処分の当事者間における本案訴訟の請求の当否を判断するにあたり、仮の履行状態として作り出された本件各物件の除去の事実を斟酌することができないのは別として、第一審原告と第一審被告との間で表示登記の可否を判断する関係においては、本件却下処分の対象となった本件各物件は、いずれも構築物としての物理的存在を失って減失したものというほかはなく、仮に本件各物件が除去前は登記の対象となりうる建物であったとしても、すでに減失した現在においては、これらについて表示登記をすることは許されないのであって、第一審原告は、本件却下処分が取り消されても申請にかかる表示登記を受けることができず、その取消を求める訴の利益を欠くに至ったものといわなければならない。このことは、本件各物件の資材を執行官が容易に再構築しうる状態で保管しており、また、前記仮処分決定又はその執行手続に仮に違法・不当の点があり、将来、本案訴訟において債権者である東京電力が敗訴したり、執行方法に関する異議訴訟においてなんらかの是正措置のとられることがありうるとしても、別異に解すべきものとは考えられない。

(小林 平田 河本)

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